[整形外科]
整形外科にはあまり行きたくない、という人がいます。話を聞くと次のような理由でした。
・原因がはっきりしないので「痛み止めとシップで様子をみて」と言われた。
・リハビリに毎日通うように言われたが、あまり良くならない。
・手術はしたくないのに手術を強く勧められた。

◆ここが安心
当院院長はいくつかの公立病院で、脊椎外科、関節外科、手の外科、足の外科、それぞれの分野で数多くの手術を手がけました。
そのため、保存的治療(手術によらない治療)を行うときも、手術で得た解剖学的知識を基盤にして、痛みや機能障害の原因をつきとめながら診療にあたります。
また手術が必要な場合には、適切なタイミングで専門医療機関へ紹介しています。
もちろん、手術をしたくない人には、薬、リハビリ、ブロック注射などを駆使して、最大限に治療効果が得られるように努めています。
◆主な診療機器

【リハビリ機器】
当院では、リハビリを漫然と行うのでなく、治療の補助と考えています。院長が一人ひとりの状態に合わせてリハビリをオーダーし、一定回数実施したのち再評価を行います。低周波や温熱療法以外に、運動療法も行っています。

【骨塩量測定装置】
骨塩量を正確に測るために開発されたDEXAと呼ばれる装置の一種で、前腕で測定します。当院では、この結果に加え、血液検査による骨代謝の状態、FRAXという統計データに基づいた問診を併せて、個々に最適化した骨粗鬆症治療を行ないます。

【超音波診断装置】
いわゆるエコーです。腱や筋肉の断裂、皮下やその深部にある腫瘍(乳がんも)、皮下・筋肉内に入り込んだ異物などを調べます。また、エコーをガイドにして、的確に目的の部位に注射をする場合にも用います。

【透視機能付きX線装置】
これは、単にレントゲンを撮るだけでなく、透視を行いながら次のような様々な治療を行っています。
・骨折治療 ・関節内異物除去
・造影剤を用いたブロック注射

◆当院の痛みに対する治療(ペインクリニック)
トリガーポイントブロック
トリガーポイントとは、痛みの引き金(トリガー)となる筋肉の硬い部分と定義されています。
確かに、肩こり・腰痛・関節痛などの多くが筋肉痛と深く関わっているので、トリガーポイントブロックは、それらの痛みに有効だと言えるでしょう。
星状神経節ブロック
これは、頸椎の星状神経節という部位に局所麻酔剤を注射することによって、交感神経の過剰な興奮を抑え、血流改善・疼痛軽減・自律神経のバランスを整えます。
次のような様々な疾患に効果があります。
・頸椎椎間板ヘルニア・頚椎症性神経根症・片頭痛・三叉神経痛・ヘルペス後神経痛・突発性難聴・メニエール病・上肢の複合性局所疼痛症候群 など
硬膜外ブロック
脊椎の中を通っている神経を包む膜(硬膜)のまわりに局所麻酔剤やステロイドを注入します。
これによって、神経の炎症・疼痛をおさえます。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに対して行われます。
神経根ブロック
脊椎から出る神経に直接針を刺して局所麻酔剤やステロイドを注入します。
神経根はレントゲンには映らないので、造影剤が必要です。
これは次の場合に行われます。
1)硬膜外ブロックでは効果がない場合
2)手術の前に、どの神経が痛みの原因かを確かめる場合
腰部交感神経節ブロック
透視を行いながら、腰椎の交感神経節を無水エタノールで破壊する治療です。下肢の血流改善と疼痛緩和効果があります。
対象の疾患は、
・腰部脊柱管狭窄症・下肢動脈閉塞症・下肢の複合性局所疼痛症候群 など
腹腔神経叢ブロック
透視を行いながら、腹腔神経叢を無水エタノールで破壊する治療です。
膵臓がんなどの激しい内臓痛を軽減します。これで、命が伸びるわけではありませんが、麻薬を使用することなく、痛みから解放されるのは有意義なことだと思います。
その他のブロック注射
上で述べたものの他に、痛みを和らげるための様々なブロック注射(三叉神経ブロック、肋間神経ブロックなど)や、手術をするためのブロック注射(腕神経叢ブロックなど)が行われています。

1.首・上肢の症状
肩こりがひどい
肩こりはほとんどが筋肉の痛みによるものです。次のような条件が重なるとおこります。
①同じ姿勢を続ける
②目を使う
③神経を使う
④歯の噛み合わせが悪い
⑤首の骨の並びが悪い
⑥首の神経の通路が狭い
⑦冷え性
症状が強くなると、頭痛や吐き気を伴います。治療としては
1)適切な薬(消炎鎮痛剤・筋弛緩剤・漢方薬など)
2)ストレッチやリラクセーション
これでなかなか治らない場合は、
3)ブロック注射
が効果的です。
緊張の高い筋肉に直接注射するトリガーポイントブロックと、交感神経の働きを押さえて血流改善・疼痛反射軽減などの効果がある星状神経節ブロックを症状に応じて使い分けます。
五十肩で腕が挙がらない
肩が痛いからと言って動かさないと、肩関節のまわりが癒着して腕が挙がらなくなります。
ですから、肩の痛みがあればなるべく早く治療を開始することが大切です。
治療法としては
1)肩関節への注射
2)肩関節の適切な運動(無理をすると逆効果)
3)内服薬とシップ
でも、肩が動かなくなってからでは、これらの治療はあまり効果がありません。その場合は
4)非観血的関節受動術
を行います。これは麻酔をかけて肩関節周囲の癒着をはがす治療です。
「五十肩は放っておいても治る」というのは迷信です。
手がしびれる
手のしびれは、神経の障害をうけている部位によってしびれの範囲が異なります。
1)頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性神経根症
⇒上腕~手のシビレ
2)肘部管症候群
⇒肘から手のシビレ
3)手根管症候群
⇒手首から先(小指以外)
治療もそれぞれによって異なります。薬で良くならない場合は神経ブロック、また手術が必要な場合もあります。
手根管症候群は良く見られる疾患で、当院では(漢方薬とビタミン剤)でかなりの効果を上げていますが、手術の必要な人には日帰りで手術(手根管開放術)を行っています。
背中が痛くて呼吸しにくい
「背中が痛い」という場合に、すい臓がんや心筋梗塞が心配になります。
でも、検査をして異常なしと言われた場合、次に考えられるのが背筋の痙攣による痛みです。
これが起こると、胸郭の運動が妨げられて呼吸がしにくくなります。
この痛みは薬やストレッチ、リハビリ等で改善しにくい部分ですが、ブロック注射を行うとかなり効果があります。
ただ、ベテランが行わないと肺に針がささったりして気胸(肺の空気が漏れる)になることがあります。
なお、肋間神経痛や帯状疱疹(ヘルペス)でも痛みがでます。
肋間神経痛が長引いたりだんだんひどくなる場合、胸椎の腫瘍といった場合もありますので、必ず整形外科専門医を受診してください。
2.腰椎の症状
腰痛で体を動かすのがつらい
腰痛の7~8割は、腰の筋肉の痛みです。そして、症状によって痛む筋肉の部分が異なります。代表的な症状は
1)立ち上がる時痛む
2)腰を反らすと痛む
3)前かがみで痛む
4)立っているとだんだん重だるくなる
それぞれ、痛みの原因となる筋肉が違います。
その原因となる部位に正確にブロック注射をすると劇的に良くなります。
特にぎっくり腰には効果てきめんで、すぐに動けるようになります。
注射をしたくない人は、消炎鎮痛剤を利用しながら体を動かしてゆけば、時間はかかりますが良くなります。
ただし、注射が効果ない場合には次のような場合が考えられます。
1)腰椎の圧迫骨折
2)椎間板ヘルニアの初期症状
この場合は検査をして、それに対応した治療が必要です。
おしりから太ももの裏にかけて痛む
この症状は主に2つの原因が考えられます。
1)腰部脊柱管狭窄症
2)股関節周囲の筋肉の痛み
1)は、神経の圧迫のされ方によって片側の場合もありますが、多くは左右両側に起こります。じっとしていると痛くないが、しばらく立っていたり、数分歩いていると起こることが多いです。症状の程度により適切な治療法を選ぶ必要があります。
2)では、寝返りしたり立ち上がるといった動作で痛みますが、たいてい片側に起こります。
薬と適切な運動で改善しない場合、ブロック注射でかなり改善します。
注射の効果が少ない場合は腰椎の神経が関係する可能性があります。その場合はMRI検査などで原因を確かめて、それに応じた治療を行います。
足がしびれる
下肢のシビレの多くは、下記の疾患によるものです。
1)腰椎椎間板ヘルニア
2)腰部脊柱管狭窄症
障害を受けている神経により、シビレの部位が異なります。
最近は神経痛の薬も色々でていますが、痛みは楽になってもシビレはなかなかとれません。
神経ブロックや手術もある程度有効ですが、その人の病状によって効果は異なり、完全にシビレを消すことは難しいのです。
(参考)脳卒中、頚髄症、循環障害、帯状疱疹(ヘルペス)などでも、下肢の痛みやシビレがでることがありますので、自己判断せずに診察を受けるようにしてください。
腰の手術に迷っている。
腰椎椎間板ヘルニアあるいは腰部脊柱管狭窄症と診断され、手術を勧められて迷っている人も多いと思います。
たしかに、MRIなどで異常が見つかると手術を勧める病院は多いと思います。
しかし、本当に必要な手術かどうか、その判断に必要な事を示します。
1)腰痛だけであれば手術をする必要はないし、手術しても治らない。(椎体骨折など、一部を除く)
2)画像で異常があっても、必ずしも手術する必要はない。
3)痛みが強くても、薬やブロック注射で改善する場合がある。待てる。
次のような場合は手術を前向きに検討したほうが良いでしょう。
1)椎間板ヘルニアの痛みで仕事ができない状態
2)腰部脊柱管狭窄症の保存的治療をしても、休まずに5分以上歩けない場合
一方、次のような場合はなるべく早く手術をすべきです。
1)下肢に麻痺や筋力低下が起こってきている場合
2)膀胱直腸障害が生じた場合(おしっこがでにくい、便秘がひどい など)
もちろん、これ以外に手術をしなければならない理由はあり得ますので、担当医から納得いくまで説明を聞いてください。
3.下肢の症状
太ももの付け根が痛くて足が出にくい
太ももの付け根というのは股関節のある部分です。この部分から太ももの前にかけての痛みの原因は、次の3つが考えられます。
1)変形性股関節症
2)大腿神経痛
3)筋肉痛
1)はレントゲンを撮ればわかります。2)は腰椎椎間板ヘルニアなどが主な原因です。頻度的には3)が最も多いようです。
筋肉の痛みというのは、検査でわからないので、原因不明とされることが多いようです。
でも、足が出にくいとか階段を上りにくいといった症状や、押さえて痛む部位を総合的に判断すれば診断できます。
薬と適切な運動、あるいはリハビリを組み合わせれば改善しますが、なかなか効果が出ない場合はブロック注射が効果的です。
スネが痛くて歩きづらい
「スネ」というのは膝下から足首の上までを指します。ここの痛みは様々なものがあります。
① 前脛骨筋コンパートメント症候群
ここには前脛骨筋という筋肉があり、歩きすぎたりして筋肉が緊張し続けると、その部分の血流が悪くなり疼痛が生じます。
② いわゆる肉離れ
これは筋肉に負荷がかかって筋肉を痛めた状態ですが、場合によっては筋肉内部で出血をおこしたりします。基本的な治療としては受傷直後はアイシングを行います。続いて包帯を巻いて圧迫し、さらに消炎鎮痛剤も利用すると良いでしょう。
③ 深部静脈血栓
エコノミー症候群とも言われ、長時間下肢を動かさないと静脈が詰まっておこります。しばらくは安静にして、血栓溶解療法を行います。予防としては、下肢をしっかり動かすことです。
④ アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎
アキレス腱、またはその周りの炎症です。アキレス腱に負担がかかっている場合が多いので、べた靴は避けて踵側がやや高めの靴を履きましょう。
⑤ シンスプリント
内側の骨に沿った痛みはで、「過労性脛部痛」ともいわれ、激しく運動するとなることが多いようです。治療は、運動を制限し、消炎鎮痛剤を利用することが多いですが、足底板を作成して足の負担を減らすことも有効です。
⑥ スネの外側の痛み
これは高齢の方に比較的多く、座骨神経痛と診断されていることが多いです。
椎間板ヘルニアなどによる神経痛のこともありますが、この部分の筋肉(長腓骨筋、短腓骨筋)の痛みのことが多いです。
治療としては温熱や電気治療もある程度効果がありますが、早く治そうとするならこの部位へのブロック注射が有効です。
さらに、この部分の筋肉の緊張をゆるめるように調整した足底板で再発予防をすることができます。
膝が痛むが手術はしたくない
膝の痛みの原因はいろいろですが、ここでは変形性膝関節症のことについて述べます。その場合、手術をするには3つの理由が必要です。
1)膝の変形が高度
2)運動・注射・薬だけでは効果が少ない
(ヒアルロン酸の注射が効かないから手術、というのは短絡的です。他にも治療の選択肢があります。)
3)痛みのため、日常生活に支障がある
このどれが欠けても、手術をする理由としては不十分です。
でも逆に、この3つの理由があっても手術を拒むのは得策ではありません。
人工膝関節の成績は非常に優れています。
痛みをがまんして生活するよりも、手術をして毎日しっかり歩いた方が、よっぽど健康的な人生を送れます。
外反母趾が気になる
外反母趾は遺伝的なこともありますが、足のアーチが崩れると進行します。
それを防ぐには、足に合った靴をはくことです。
特に、足のアーチをしっかり支えるような靴が良いのですが、市販ではそのような靴も、足底板(中敷き)もありません。
そこで当院では、それぞれの人に直接合わせて足底板を作成しています。
<外反母趾の手術>
外反母趾で手術を考慮するのは、次のような場合です。
1)外反母趾の痛みのため歩きにくい
2)指が重なって皮膚潰瘍ができる
3)見た目が嫌でがまんできない
外反母趾を形まで含めてきちんと治そうと思えば「骨を切って形を整える」ことが必要ですが、2)の場合、母趾を外反する腱を切り離すだけの手術でも改善します。これは当院でも行っています。
ところで「外反母趾が痛くて」というあなた、それ本当に外反母趾ですか?当院にもそう言って来られる患者さんが大勢いますが、レントゲンを撮ってみると外反母趾ではなく、「強剛母趾」であることが多いのです。
これは、母趾の付け根の関節(MP関節)の軟骨がすり減って関節が固くなり、歩くとき体重がかかると痛むものです。
対処法としては、足底板で母趾にかかる負担を減らすことです。シップや痛み止めだけでは、根本的な対策になりません。

毎年、骨粗しょう症のため骨折する人が後をたちません。
カルシウムなど 栄養に気をつけているからといって骨粗しょう症が防げるわけではありません。
骨粗鬆症の検査
骨密度を測っただけでは、十分な治療戦略が練れません。そこで当院では次のような検査やチェックを行います。
1)骨塩量の測定
2)血液検査(骨代謝を調べる)
3)骨粗鬆に関連した骨折の有無
4)FRAX(統計に基づいた骨折リスクの判定)
骨粗鬆症治療法
そして、骨粗しょう症の程度によって次のような治療法を選びます。
1)強力な治療
【対象】①骨塩量が60%未満 ②<重度の骨折>を起こした人
【治療】テリパラチドなど、骨形成を高める薬を使います。
2)標準的な治療
【対象】①骨塩量が60~69%で<重度の骨折>なし ②骨塩量が70~79%で
<軽度の骨折>を起こした人
【治療】骨が壊す細胞の働きを抑える薬を使います。
3)比較的軽症な女性
【対象】比較的若い女性で、骨塩量がおよそ65%以上の人
【治療】骨を保つ女性ホルモンの低下を補う薬を使います。
<重度の骨折>胸腰椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折
<軽度の骨折>上記以外の骨折(上腕骨や橈骨などの骨折)
★最近では、2年以内の骨折、2箇所以上の骨折も考慮することになっています。
もちろん、個人個人に応じて様々なバリエーションを加えます。
骨粗鬆症は自覚症状なくやってきます。あなたも、まずは骨密度を測ってみませんか?